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武蔵野文化:ロシア・ナショナル菅,プレトニョフ指揮,松田華音(pf) [音楽時評]

6月26日,武蔵野文化会館大ホールに,ロシア・ナショナル管弦楽団演奏会を聴きに行って来ました.指揮は創設者であり,芸術監督でもあるミハエル・プレトニョフ,そしてソロに6歳からモスクワに渡り,ロシアに育てられた16歳の天才ピアニスト松田華音が加わっていました.

ロシア・ナショナル管弦楽団というと国立を連想しますが,社会主義国には珍しい純民間団体のオーケストラで,興行収入+民間からの寄付で賄われているそうです.

今回は,6月13日のグリーンホール相模大野に始まって,奈良件文化会館,東京オペラシティ,アルカス佐世保,愛知県芸術劇場と周り,23日から再び,横浜みなとみらい,アクトシティ浜松,周南市文化会館(山口)武蔵野文化会館,昭和女子大学人見記念講堂,そして1日おいて,29日に日立シビックセンターで打ち上げという強行日程です

その間,プログラムは1~6とあり,ソリストには,樫本大進,河村尚子,アレクサンダー・コブリン(pf),そして松田華音が並んでいます.

ロシアのオーケストラを聴くのは久しぶりだったのですが,金管,木管の美しさ,巧みさ,打楽器の実力と音量,そして粒の揃った五弦のアンサンブルの見事さに,今更ながら感嘆しました.

今夜のプログラムは,
ビゼー: 「アルルの女」第2組曲
       ⅠPastorale,ⅡIntermeszzo,ⅢMenuet,ⅣFarandole.
サン=サーンス: ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.22     ピアノ:松田華音
        ※※※※※※※※
チャイコフスキー: 交響曲第4番 ヘ短調 Op.36
でした.

楽器の配置はヨーロッパ型というか,対抗配置で,第1ヴァイオリンの隣にチェロ,ヴィオラ,第2ヴァイオリンでサークルを作り,第1ヴァイオリンとチェロの背後にコントラバスが2列並んでおり,チェロ,ヴィオラの背後にホルンと木管楽器群が並び,木管群の背後に金管楽器が並び,打楽器は右後方に配置されていました.

海外ツアーで全員参加していたらしく,サンサーンスは多少減員されていましたが,前後の大曲は第1,第2ヴァイオリンが6列ずつ並んでいました.

とにかく第1曲「アルルの女」から,ロシア大地を想起させるような重厚でどっしりした音を響かせて,木管,金管楽器群の華麗な演奏が続き,圧倒的な演奏が展開されました.ただ,ⅢMenuetでは,ハープの伴奏でフルートが誠に親しみ深いメロディを奏でて,好演していました.

サンサーンスのピアノ協奏曲第2番は,ピアニストでもあった作曲者の代表作の1つで,技巧的華やかさと色彩感に満ちた名曲です.
Andante sostenuto/Allegro scherzando/Presto の3楽章構成ですが,第1楽章の冒頭でいきなりピアノがソロで入り,主部に移りますが,最後にまたピアノ・ソロが回帰します.第2楽章はAllegro にテンポを速めて,軽快な楽章,第3楽章でさらにPresto に早めて,ピアノの鍵盤を一杯に使った華麗なフィナーレになります.
テクニック面の要求度も高い曲でしたが,若い松田華音はその技巧水準はとっくに超えていたようで,まことに見事な演奏を聴かせてくれました.
1曲難しそうなアンコールが入ったのですが,多分サンサーンスの曲らしいとしか分かりませんでした.
彼女は,既に,若手対象のコンクールでいくつも首位やグランプリを獲得しているようで,16歳でロシアで育てられた,トリフォノフを追う21世紀レベルの日本人天才ピアニストの出現を,大いに喜びたいと思います. 

チャイコフスキーの第4交響曲は,チャイコフスキーが結婚に失敗して神経衰弱に悩み,イタリアに転地療養中に完成された作品で,チャイコフスキー自身が,この作品は人生における「運命」を表現した曲と述べていたそうです.
緩ー緩ースケルツオー急・フィナーレの4楽章構成ですが,第1楽章は悩ましい現実と幸福な夢が交錯する楽章で,運命を象徴するファンファーレに始まり,ドラマティックな展開を見せます.第2楽章はメランコリックな緩徐楽章,哀愁を帯びたオーボエのソロが印象的です.
第3楽章は空想的なスケルツオで,弦楽器群のピチカートが主体の忘れがたい楽章です.終楽章は総てを忘れ去るような賑々しさに溢れたフィナーレで,大きな盛り上がりを築いて終わります.
1度聴くと忘れがたい曲ですが,とりわけロシア・ナショナル管弦楽団のプレトニョフ指揮による堂々たる構成の演奏には素晴らしいモノがありました.

全体に,堂々として華麗さを加えた名演だったと思います.
今秋にはゲルギエフーマリンスキーの組み合わせを2度聴く予定をしていますが,今から,それがいよいよ楽しみになってきました.


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コメント 1

とおりすがり

楽しい記録ありがとうございます。アンコールのピアノ曲は、チャイコフスキーの5拍子のワルツ(18の小品 Op.72より)だった気がします。
by とおりすがり (2012-06-29 23:13) 

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